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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第69話 プレスリリース至上主義の愚

プレスリリースを重視「しすぎる」経営者や広報担当に会うことがあります。たとえば「広報担当者の評価をプレスリリースを出した数で決める」、「プレスリリースの一文を決めるのに、何時間も会議をする」など、です。

私・シモヤも支援先にはプレスリリースを書くことを推奨しています。わたしの本でもプレスリリースを書くことを、強く勧めています。

ですが、それは無闇矢鱈とプレスリリースの「数」を出すことを推奨しているのではありません。

たとえば、2つに分けられるトピックスがあるとします。それをまとめて1枚の
プレスリリースにするべきか。それとも、2枚のプレスリリースに分けるべきか。はたまた強引に3枚に分け、プレスリリースの「数」を稼ぐべきか。

プレスリリースの「数」だけを追い求めると、本質を見失います。本質とは、いかにして効果を上げるか、です。

そもそもプレスリリース「以外」の文書の方が、効果が出ることもあります。これは、誤解を招きやすいので、私の本には書けなかった手法です。ちなみに企画書の類ではありません。この場合だと、プレスリリースの「数」は、確実に減ります。

プレスリリースを1回にまとめるのがいいか、複数回にわけるのがいいか。プレスリリースという方法が適切か、はたまた別の文書が良いのか。どのような方法が適切か。それは狙う媒体とその会社(あるいはネタ)によるとしか言えません。

メディア、マスコミ、そしてテレビ。シモヤの古巣である「テレ東の報道番組」という「同じ括り」のなかですら、実はプレスリリースの扱いはかなり異なります。

「狙う媒体と、その会社やトピックスによる」。こう書くと、出し惜しみをしているように思われるかもしれません。ですが、あなたの会社に置き換えて考えてみてください。

たとえば、あなたが新人や転職者向けに自社の業務マニュアルを作成するとします。絶対に抑えて欲しい基本事項は当然、マニュアルに落とし込むでしょう。

ですが、個別のケースでの対処法など、字数の都合上、逐一漏らさず書けるはずもありません。あるいは文書ではなく口頭でないと、各所への配慮から言えないことも多々あります。

プレスリリースにまつわる「常識」も、それと同じことです。どこかで聞きかじりの知識で、画一的・機械的にプレスリリースを「新商品発売の●週前」に、出せばいいというものでは決してないのです。「どこかで聞きかじった知識」のほとんどは簡便のために、複雑性を排除したものです。

私・シモヤ は10年に渡って、番組制作者として、取材先を実際に選ぶ立場でした。

「この会社、何度もプレスリリース出して、素晴らしいな」と思って、プレスリリースの文書の様式美で選んだことは、ただの一度もありません。同様に「整った文章」などという理由で、取材先を選んだこともありません。

これは「プレスリリース配信回数スタンプラリー」でもなければ、「ビジネス文書の様式美コンテスト」でもないのです。

プレスリリースの「数」や「文書としての様式美」にこだわりすぎると、「広報PRに取り組むことで、何を目指すのか」という本質を、完全に見失います。

表面的な「形」にあまりにこだわりすぎると、本質という「中身」を得ることはできないのです。

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