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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第68話 あなたは「まごころ」を信じますか?

シモヤの体感値ですが、世の中の98%の中小企業は、自分の商品やサービス「だけ」をアピールします。みなさんも広報やPRの際、商品やサービス「だけ」を、表現して、伝えようとしているはずです。

ですが、商品やサービスそのものは、実は、どれも大した違いはありません。旅館やホテル、飲食店、小売店でも、抜本的に異なるサービスや商品を提供しているわけではありません。これはなにも中小企業に限ったハナシではありません。大企業も、同様です。

例えば「おーいお茶」と「伊右衛門」を目隠しして飲んだとして、一体、どれだけの人が製品名まで当てられるでしょうか。

(Gacktさんクラスじゃないと、無理でしょう・・・)

大企業であれば、市川海老蔵さん、あるいは宮沢りえさんや本木 雅弘さんのような、出演料1億円クラスの超有名タレントを広告に起用して、「ブランドの世界観」なるものを世の中に叩き込むこともできます。

ですが、そんなことは日本有数の大企業にしかできません。ちなみに、こうした超有名企業の広告費は、年間500億円とか、それ以上です。

では、そんなことは到底できない中小企業が、それほどわかりやすい違いがない
商品やサービスを、相当に頑張ってアピールすると、どうなるでしょうか?

例えば、旅館やホテルであれば、必ずと言っていいほど、「こころを込めた、おもてなし」「くつろぎと安らぎの・・・」などと、書いてしまいます。

飲食店であれば「素材にこだわって、丁寧に」「魅惑のスイーツ」などと、書いてしまいます。

「お客様の笑顔のために」「まごころ込めて・・・」。これなら、どの業種でもOKな万能薬ですね。

これらは、確かに耳障りのいい言葉です。

なので、プレスリリースやホームページの文章を書いている本人「だけ」は、きれいに「何か」を表現できた気になります。

ですが、わたしのように、プレスリリースを読み、取材先を選んできた側は「また、『まごころ』か・・・」と、うんざりしてしまうのです。

あなたがセールスのメールなどで「まごころこめて・・・」みたいな表現を目にしても、真に受けないのと同じです。

テレビ局の人間はあなた以上に、毎日そんな定型句を嫌というほど見ているのですから、なおさらです。

「まごころ込めて」などと書いても、読み手に「まごころ」は通じていないのです。

このような、ありふれた美辞麗句を、「手あかのついた表現」などということがあります。要は「新鮮度、まったく無し」ということです。

このようにして「なんとなく耳障りの良い表現だけど、何の効果もない」。そんなプレスリリースやホームページが日々、大量生産されているのです。

一生懸命頑張ったのに、自ら進んで、”その他大勢”の仲間入りです。

商品やサービス「だけ」をPRしようとすれば、この”罠”から逃れるのは、かなり困難です。

ですが、ストーリーを使えば、この”罠”からカンタンに抜け出すことができます。なぜなら、ストーリーの主役は”ひと”だからです。

商品やサービスは似ていても、あなたという人間はこの世にひとり、なのですから。

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