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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第12話 孤独な経営者に必要なもの

「シモヤさん、経営者の気持ちがわかるのは、経営者だけですよね」

事業を順調に成長されている経営者の方が、酒を酌み交わしている際、ふと、こぼされた言葉です。

「課長には部長の気持ち、部長も役員の気持ちが想像できる。けれど、副社長は社長の気持ちを理解することはできない」

社長と副社長は職位はわずかしか違わなくても、背負っている責任や経営への意識には、凄まじい差がある。そういう社長のあり様を語ってくださったのです。「社長は孤独な存在」という言い古された言葉を、改めて思い出しました。

ただし、飛躍的な成長を目指す経営者にとっては、「孤独をひとり耐えれば良い」というわけにはいきません。船長が船を全速力で進めるためには、船員の力を結集することが必要だからです。

とはいえ、先述の通り、従業員と社長の意識は絶望的なほどに異なります。ですから、社長の立場から単純に事業の目的や意義を語っても、従業員の気持ちには全く響きません。子供の頃、学校の朝礼で聞いた校長先生の話が、全く印象に残らないのと近いかもしれません。

「正しいこと」をいくら熱心に語られても、立場の異なる相手には、何の効果もありません。日本語の全く通じない外国人に、日本語で熱心に語るようなものです。

とはいえ、社長の求心力を高めるため、「アメとムチ」を駆使して、待遇で差をつける手法にも限界があります。「アメとムチ」は従業員の会社への不満を抑えるには有効だが、やる気を出させるには、それほど強い動機付けにはならないと、心理学や組織論の数多くの研究成果が証明しています。

立場の異なるメンバーを束ねるには、一体、どうしたらいいのか。そんなとき、ストーリーは極めて有効なツールとなります。力のあるストーリーには、様々な役割を果たす登場人物が現れます。桃太郎だけでは、鬼退治はできないのです。猿にも、キジにも、犬にも出番があるのです。

絶対的に立場の異なる従業員という存在を動かすため、あなたはストーリーを上手に活用できていますか?

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