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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第9話 変わらずに生き残るには、変わらなければならない

今週は夏休みを取りました。

ありがたいことにいろいろ引き合いを頂いているのですが、いまだ自分が休んでも回せる仕組みを作れていません。ということで、2泊3日で、慌ただしく旅行に行きました。

向かった先は北海道。札幌、小樽、旭川と回ってきました。最も印象に残ったのは、中国人観光客の多さです。日本人観光客より、明らかに多い。特に、小樽という「大人気」とまでは言えない観光地まで、中国人観光客の数が圧倒している様子は、とても印象に残りました。飲食店に中国語メニューがあるのは当たり前、路線バスでは運転手が英語の案内文を読むのです。

30年前のバブル経済の時代、フランスやイタリアなどに、大量の日本人観光客が押し寄せ、各地で物議を醸しました。当時の日本経済は絶好調。収入や通貨の価値といった、国力が世界各国を圧倒していたからこそ、日本人観光客が席捲できたと言えます。いま、まさに逆の状況が起きているといえます。つまり、日本の国力が、中国に圧倒されているということです。日本の衰退と中国の隆盛が、同時進行で起きているわけです。

中国経済の成長がいつまで続くかは、専門家の間でも議論が分かれるところです。が、残念ながら、日本のゆるやかな衰退は、超少子化・超高齢化の加速などで、まだ続きそうです。

先日、支援先のホテルの経営者の方から、興味深い話を聞きました。中国人観光客の客層が、明確に変わってきているというのです。「つい数年前までは、「爆買い」に象徴されるような、中国の富裕層が訪日していた。しかし最近は、ごく普通の中国人が来ている」とのことでした。日本の衰退と中国の隆盛が、一時的なものではなく、不可逆の潮流であることを感じさせます。

この光景をみて、有名な映画のセリフを思い出しました。名匠、ヴィスコンティ監督の映画「山猫」で、時代の変化に翻弄されるイタリア貴族の姿を描きました。

「変わらずに生き残るには、変わらなければならない」

没落の危機に瀕した、イタリア貴族の言葉です。伝統を守り続ける100年続く老舗菓子店も、時代の流れに合わせ、味を微妙に調整し続けていることは、よく知られています。トヨタやソフトバンクのような、海外市場に活路を求めることができる大企業よりも、国内中心にやっていかざるをえない中小企業にこそ、当てはまる言葉です。

今回の旅の最後に、旭山動物園を訪れました。旭山動物園の挑戦と成功は、散々メディアで伝えられているので、詳しく説明するまでもないでしょう。旭山動物園にいるのは、ペンギン、ホッキョクグマ、カバなど、動物園としては、「ありふれた」動物ばかりです。が、見せ方を大胆に変えることで、観光客が押し寄せる動物園に生まれ変わりました。「変わらずに生き残るには、変わらなければならない」中小企業の好例です。

日本経済「全体」はゆるやかに衰退したとしても、旭山動物園のように、生き残りの武器を秘めた中小企業は、星の数ほどあります。が、せっかく秘めた武器を持っていても、ずっと秘めたままでは、「座して死を待つ」だけです。

あなたは変わらず生き残るために、変わろうとしていますか?

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