• TEL : 03-6822-4810
  • 〒151-0051
    東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-27-5
    リンクスクエア新宿 16F

今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第8話 「いつ」情報発信するかで、効果は30倍に

「シモヤさん、内閣改造のニュースを情報発信の観点から、どう見ますか?」

先日、ある顧問先の経営者の方との何気ない会話の中で聞かれた質問です。中小・ベンチャー企業が得意でないのは、「何を」発信するかの構築だけではありません。実はそれ以上に、「いつ」発信するかの見極めも、かなり苦手としています。同じ情報でも、「いつ」発信するかによって、大きく効果は異なるのです。

今回の安倍内閣の改造では、人事は前日の新聞紙面ではすべて明らかになっていました。ですので、発表当日のサプライズは全くありません。

安倍内閣とは対照的に、情報統制を完璧に実施した内閣があります。それが、小泉内閣でした。発表当日になるまで、全く情報が漏れないのです。この手の情報は首相本人というより、周辺の相談相手の政治家から漏れることが、実に多い。ですが、小泉氏はその性格ゆえか、周辺に相談することはまずありません。自分自身だけで決めるので、情報は漏れようがないのです。

そして、発表当日、名簿には「田中真紀子外務大臣」のようなサプライズを仕込んでいます。マスコミはこぞって取り上げます。内容自体が驚きなので、人事の論評に割かれる紙面や放送時間は自ずと少なくなってきます。つまり、情報発信側にとっては極めて都合がいい状態です。

小泉氏同様の情報発信戦略をとった、超有名経営者がいます。アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏です。ジョブズ氏が存命中のアップルは、情報統制に極めて神経質でした。新型iPhoneやiPadの情報はまず漏れてきません。私自身、ソフトバンク在職時に、iPadの日本上陸のプロジェクトに携わりました。その際には通常の社員としての義務以上に、改めて、守秘義務契約書の提出を求められたほどです。

情報が漏れないので、新聞、テレビ、ネットメディアは、発表当日はまるで「お祭り」となったように、新製品情報を伝ええることになるのです。

ですが、この手法、致命的な弱点がいくつかあります。そのひとつは、大企業や政府など、圧倒的な注目度を持っている存在しか使えないということです。つまり、中小・ベンチャー企業にとっては、まず「使えない」手法なのです。もうひとつは、情報を教えてもらえない記者との関係が悪化しかねないことです。安倍内閣をはじめ、情報統制を用いないのは、これを恐れてのことでしょう。

とはいえ、中小・ベンチャー企業であっても、この手法そのままではなく、逆説的に応用することで、情報発信の効果を高めることができます。スペースの都合上、応用の仕方は割愛しますが、その手法を使えば、日経新聞への掲載率は(私の感覚ではありますが)、30倍は高まります。この手法が特に有効なのは、売上10億〜100億規模の会社です。ぜひ、情報発信の中身に加え、タイミングにまで、気を使っていただきたいと思います。

あなたは、情報発信のタイミングにまで、細心の注意を払っていますか?

「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」で500人以上の起業家を描いてきたストーリー構築法“熱狂的ファン”を生み出す実践的7ステップ