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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第66話 国民的関心事がたどる、共通のパターン

「新型コロナウイルス」など、国民的関心事のニュースでは、共通のパターンをたどっていきます。

それは、

  1. 「第一報」
  2. 「拡大具合の進捗」報道
  3. 「思わぬところへの波及」報道

というパターンです。

今回の「新型コロナウイルス」の場合で考えてみます。「新型ウイルスが広まりつつある」という第一報がまず、出ます。

次に「政府チャーター機の帰国者からも感染者が見つかった」。あるいは「クルーズ便で感染者が見つかり、上陸できずにいる」などという、拡大の状況が報じられます。

本稿執筆時点(2020年2月9日)ですと、いまだに沈静化する気配はありません。影響は広がりを見せています。

とはいえ、こうした拡大の動きもいつかは必ず、止まるときが来ます。拡大が止まらない段階で、こうしたことを言うのは不謹慎かもしれません。ですが、いつかは必ず、止まるのです。

そんな拡大が止まりつつあるタイミングに、ある特有の状況が生まれます。それは「新しい情報が出てこないのに、視聴者・読者の情報へのニーズは引き続き高い」という状況です。

新型コロナウイルスの例で言うと、当然ながら、感染した場合の症状や対策、行政の対応、各地の状況など、基本的な情報はすでに十分すぎるほどに伝えきった後で、もう報じる内容がなさそうな段階です。

こうした、いわば「情報の需給」にギャップが生じたときに、ニュースの制作者が考えること。それは「どこか、意外なところに(まだ報じられていない)影響が出ていないかなあ…」ということです。

例えば「訪日外国人が減り、観光地が窮地か」。あるいは「マスク転売の詐欺が起きていないか」、逆に「目算外れてマスクの在庫を大量に抱え、悲嘆にくれている業者がいるのではないか」といった話です。

こうした波及内容のネタは、当事者から寄せられることもあります。ですが、圧倒的多数は、ニュースの制作者が仮説を持って自ら探しに行くのです。私・シモヤの制作経験でいうと、7割以上は制作者が自ら探しに行くものです。

例えば「観光地は困っているのではないか」、あるいは「どこかで詐欺が起きているかも」と制作者が想像します。その仮説が正しいかどうか確かめるべく、制作者は影響が出ていそうな場所を調べるのです。

ネットで調べる場合もあれば、制作者が電話をかける場合もあります。制作者自ら動くくらいなので、すぐに、そして大々的に扱われます。

こうした「波及ニュース」では、制作者の発想パターンは、実はそれほど多くはありません。「お決まり」ともいえるような、何種類かに絞られます。

こうした日々のニュースを伝える上では、制作者の瞬発力が重要です。「じっくり考え抜いて」取材先やテーマを決める時間的な余裕はないからです。「瞬発力」ですから、自ずと「パターン通り」になりがちなのです(パターンの種類やは何パターンかに絞られます。具体的にどのようなものなのかは本コラムで、機会を改めて書くかもしれません…)。

さて、これを広報PRの観点から言い換えれば、制作者の思考パターンを把握し先回りすれば、中小企業や起業家、あるいはそれに関する専門家が、実にあっさりと、そして大々的に取り上げられることがあるということになります。

これは新型コロナウイルスに限りません。新元号や東京五輪のような、国民的な「ビッグイベント」でも同様です。今回のようなウイルスという悪影響の場合とは異なりますが、基本的な構造と流れは同じです。

中小企業や専門家は、自らの広報PRのタイミングとして、この「波及報道」のタイミングを意識すると、効果を格段に上げやすくなるということもあるのです。

「なに」を伝えるかは、言うまでもなく極めて重要です。それと同じくらい、「いつ」伝えるかも大切な要素です。

中小企業や専門家がメディアでの露出を狙う際には、制作者の思考パターンを想像し、そこから生まれるであろう絶好のタイミングをはかったうえで、ぜひ情報を発信してみてください。

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