• TEL : 03-6822-4810
  • 〒151-0051
    東京都渋谷区千駄ヶ谷 5-27-5
    リンクスクエア新宿 16F

今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第57話 メディアを味方にするために、ストーリー以外で必要なもの

先週は、私の本業・成長戦略ストーリー構築「以外」で、実に様々な経営者の方とお会いしました。様々なタイプの経営者とお会いするなかで、改めて「あること」を思い出しました。

「あること」とは、有名経済メディアを次々と味方にする経営者には「ストーリー以外」でも、共通する要素がある。それは一言で表すと、「胡散臭くない」ということです。

「胡散臭くない」とは、まず、本業の内容そのものが真っ当なのです。例えば、明らかに薬事法や景表法に反するような商品を誇大広告で売っているようなものではないということです。

本業以外でも「胡散臭くない」。つまり、経営者のあり様が「胡散臭くない」のです。不自然なほどに、自ら、成功者であることを自慢をする。適当な理由をつけて支払いを踏み倒す気が最初から満々。信ぴょう性の疑わしい経歴。息を吸う様に、平気でウソやごまかしを言える。そういった人物ではないということです。

有名な経済メディアで記者をしていると、実に様々な人物からアプローチがあります。

自社の実態の伴わない怪しい健康食品のようなものを、番組や紙面で取り上げてもらうことで信頼のお墨付きを得たことにして、法外な高値で売りつけようとする者。自分が保有する株を売り逃げるべく、明らかに誤った情報を提供しようとしてくる者。番組出演の見返りに、物品の提供やいかがわしい接待の誘いを持ちかけてくる者。真偽のあやしいタレコミ電話・・・。

そのまま「怪しい紳士録」がつくれるのではないかと思えるほどです。

有名経済メディアの記者は、こうした怪しい人物に引っかからないよう、かなり神経質になります。

自社メディアの影響力を熟知しているからです。そして万が一、そうした怪しい人物に引っかかってしまったら、自分の記者人生は終わりです。神経質になるのは当たり前なのです。

あまりに頻繁にいかがわしい人物から売り込みを受ける。そして、その挙動を細かく観察するようになる。自ずと、有名経済メディアにいる人間は「怪しい紳士」を見分ける眼を養うことになります。

「胡散臭い」経営者に会った瞬間、記者は「あのパターンの人間か・・・」と、脳内の「付き合ってはいけない人」枠に入れてしまうのです。

当社が提唱する「成長戦略ストーリー」は、「胡散臭いもの」を「キレイなもの」に見え方を変える詐術ではありません。

本物の想いと取り組みを積み重ねた経営者であっても、自分では気がつかない、埋もれたままの、自社のアピールポイント。それを発掘し、再編集して、なんどもメディアに取り上げられることで、社内外の経営資源を自社の成長エンジンとして取り込むための、体系的な手法です。

「胡散臭い」経営者は、最初からお呼びではありません。

真摯な経営者の方々と、真摯な取り組みを粘りつよく、積み重ねていく。そんな自分の独立の原点を思い出す1週間でした。

「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」で500人以上の起業家を描いてきたストーリー構築法“熱狂的ファン”を生み出す実践的7ステップ