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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第30話 展示会で見えた、中小製造業に共通する弱点

去年、シモヤが強く印象に残ったことのひとつが展示会でありました。東京ビッグサイトで開かれた、製造業関連の大きな展示会です。広い会場を一通り回ってみて、気が付いたのです。

「日本の中小製造業のほとんどが、ものすごく惜しい!」

惜しいと思った理由。それは、どのブースもあまりに表現が下手ということでした。

読めないほど小さな字で書き込まれたパネル。専門用語だらけのパンフレット。経営者や開発者の想いが全く伝わってこない会社紹介・・・。

大きな展示会に出展しようという会社なのですから、優れた技術や製品は間違いなくある。ですが、その優れた面がものすごく伝わりにくいのです。

展示会に参加されたことがある方なら、会場を回って見ても、「興味の湧く企業が全くなかった」という経験をされた方も多いと思います。

出展企業の経営者や従業員の専門分野はあくまで製造や開発なので、仕方がないことではあります。ですが、大企業はどうでしょうか。広報や宣伝の専従の従業員を抱えたり、大手広告会社に依頼したり、かなり広告費をつかったりしています。伝えることに、膨大な労力と費用をかけている。

ほとんどの中小の製造業は、製品や技術力の本番の勝負に入る前に、予選段階で大企業に負けてしまうのではー。それが、私が展示会で感じた問題意識でした。

製造業は、最もその魅力を伝えやすい業種です。製品や技術はもちろんのこと、その開発に込めた想い、人の心を掴む材料の宝庫と言える業種です。

かつてNHKが放送していた「プロジェクトX」という伝説的な番組がありました。中島みゆきのテーマ曲に乗せて、様々な企業の取り組みを、熱く伝える番組でした。

私はこの番組の表現手法を知るべく、すべてのDVDを購入し、そのすべてのナレーションを書き起こして、徹底的に分析をしました。

「プロジェクトX」では、合計187のプロジェクトが放送されました。その全ての放送回のうち、実に6割がものづくり企業が主役となった回です。これほどに、ものづくり企業は強くアピールしやすい業種なのです。

「プロジェクトX」の表現手法には、もうひとつ特徴的なことがあります。それは、主役企業が大企業であっても、あたかも中小企業であるかのように、取り上げているということです。

それはプロジェクトチームが社内の非主流派であったりするなどの「中小企業」感を過度に演出しているのです。

他にも多々列挙したいことはあるのですが、要するに、中小の製造業はとてつもないアピール潜在力を持つにも関わらず、全く活かせていないということなのです。

「うちなんて地味な会社なので・・・」とおっしゃる方が多いのも、表現下手同様、中小の製造業の方に共通する特徴です。ですが、私に言わせると全く的外れ。実際に長時間、粘り強くヒヤリングすると、材料が出てくる、出てくる・・・。文字通り、素材が「眠って」いるのです。

そもそも本当に何もない企業であれば、何年も続いているはずがありません。

眠っている材料を掘り起こし、ある法則に従って、体系的に再構築し、有名マスコミに1度でも紹介されることになれば、その広告効果は3,000万円を優に超えます。広告効果だけではなく、その企業や経営者の社会的な信用度やステータスまで向上するのはいうまでもありません。(ちなみに、昨年の私の支援案件の掲載”勝率”は8割超です)。

体系的に構築されたアピール内容を、適切に社内外に発信する。社外への発信においては、有名経済マスコミへの掲載まで視野に入れる。これにより、顧客や従業員に対する自社の求心力が、飛躍的に高まるのです(そのための手法が、当社が提唱する「事業ストーリ構築法」です)。

2018年。今年もあなたは眠っている「宝」を、眠ったままにしておきますか?

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