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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第29話 2018年:変革への基盤構築のラストチャンス

あけましておめでとうございます。年末年始をいかが過ごされたでしょうか?

2018年は明治維新から150年、そして昭和の名残を残していた平成が終わるという、日本にとって節目の年にあたります。今年は「日本のものづくり」、「日本発のサービス」、「和」というものに、これまで以上にこだわる1年にしようと思っています。

ということで、新年早々、日本の古に想いを馳せるべく、大阪・堺市にある仁徳天皇陵に行ってきました。

大阪・堺市の仁徳天皇陵の近辺は、祖父が住み、昨年他界した私の父が育った土地でもあります。子供の頃、私は父の転勤に伴い、長く福岡に住んでいたのですが、正月には祖父や祖母のいる堺の街に行っていました。そういうこともあり、今年の正月は仁徳天皇陵を見た後、子供の頃に見た堺の街を、懐かしく思い出しながら、歩いたのです。

歩きながら、過去を懐かしむだけではなく、将来についても考えました。2018年はどういう年になるのか…。すると、ひとつの結論が浮かび上がります。今年は、変革の基盤構築のラストチャンスなのではないかということです。

株価は上がり続け、経済指数も概ね好調です。ですが、景気は巡るもの。永遠に好調な経済はあり得ません。株価上昇は既に6年以上も続いています。

年末に、今ノリに乗っている、ある不動産投資会社の経営者の方と飲んだのですが、「東京五輪の開発もひと通り終わり、消費税の増税の駆け込み需要も終わる2019年に、不動産市況が崩れる可能性は十分ある」という見立てでした。仮にこの見立てが当たるとすると、どうなるでしょうか。現在の経済状況が資産高騰に支えられていることを考えると、不動産市況と併せて、日本全体が景気後退局面に入るということになります。

バブル崩壊後には「失われた20年」と呼ばれる、長い不況が続きました。前述の見立て通り、2019年に景気後退局面に入り、「新たな、失われた20年」に入ったら、どうなるか。悪化する一方の少子化に伴う日本市場の縮小と人手不足、中国やアジア勢の隆盛を考えると、過去の不況期よりも回復困難になる可能性すらあります。

それでも何とか20年で回復できたとして、次の景気拡大局面は2040年。今、40代の経営者であれば、次の好況期は60代です。50代の経営者であれば、次の好況期には、後進に道を譲る年齢になっています。

不況が深刻になれば、当面は止血措置に追われることになります。新たなチャレンジを目指すどころではありません。

つまり、多くの経営者にとって、この1、2年がじっくりと不況に耐えられ、次のステージへの挑戦を実行する基盤構築のラストチャンスになってしまう可能性が十分あるということなのです。

ラストチャンスかもしれない、貴重なこの1、2年をどう過ごすか。私自身も、今年という1年をこの認識の元に挑む覚悟です。

基盤構築のために、今年何をすべきか。ぜひ、考えていただきたいと思います。

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