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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第22話 「地味な業界」ほどチャンスあり

「シモヤさん、うちみたいな『地味な業界』でもマスコミに取り上げられるんでしょうか?」

セミナー終了後に、参加した経営者の方から質問を受けました。一般的に人材派遣、ソフトウェア開発、不動産仲介などは「マスコミに取り上げられにくい業界」と思われているようです。が、こうした業界こそ、実は有名マスコミの掲載を獲得しやすい業界です。

そもそも、なぜ「取り上げてもらえない業界」と思うのでしょうか。「クラウド」、「IoT」といった流行に乗っていないからでしょうか。時代の大きな流れに乗っている業界は、もちろん掲載獲得の可能性は高い。が、掲載を巡る競争も激しい。

というのも、そうした企業のほとんどが「チャンスあり」と見て、メディア向けに様々なアピールをしてくるからです(といっても、メディア側から見ると、圧倒的多数が的外れなアピールではあるのですが。この辺の事情は別の機会にでも)。

対照的に「取り上げてもらえない業界」は、最初から全社が諦めているので、誰も何もしていません。競争率は格段に低いわけです。

さらにメディア側の習性として「他の記者が取り上げている業界『以外』を紹介すれば、インパクトがあるな」という気持ちもあります。

問題は「取り上げてもらえない業界」は本当に「取り上げられる要素が何もない業界」なのか、ということです。結論から言いますと、「取り上げてもらえない業界」というのは、ただの誤解です。取り上げられる要素は、必ずあります。

「IoT」のようなトレンドの渦中にある業界は、例えるなら「健康優良児」です。見た目も爽やかで、体力もありそう。誰が見ても明らかという、見た目だけでわかるという人物です。いわば「ジャニーズ事務所」にいるような男の子です。

一方、「取り上げてもらえない業界」は確かに、見た目はジャニーズ事務所よりは地味な子でしょう。その子が健康なのか、体力があるかどうかは、見た目だけではわかりません。健康診断をして、体力測定をして、初めて明らかになるのです。検査の結果、「ジャニーズ事務所」を凌ぐ体力があることも、十分にありえます。

「取り上げてもらえない業界」という思い込みは検査なしで、いわば第一印象だけで健康状態や能力を測っているにすぎないのです。

私が中小・ベンチャー企業のアピールポイントを構築するときには、上記のような検査だけに止まりません。経営者の生い立ち、幼少期にまで遡って、アピールポイントを構築します。こうした一連の過程には、高度な専門性と経験が不可欠です。

このプロセスは、医師が患者を診察するようなものです。正確な診断と手術のためには、医師の経験や技量に加えて、レントゲン、聴診器、CTスキャン、血液検査など、目に見えないものまで炙り出す、検査や装置が必要です。顔色が良いとか、そんな表面的なことだけで判断することは決してありません。もっと深層的なものまで、見つめる必要があるのです。

どの業態に属しているかということだけではなく、深層的なものに向き合うことで、真のアピールポイントが構築できるのです。

特に創業者が現役経営者である場合は、掲載獲得率は飛躍的に高まります。

あなたは先入観から、有名マスコミに「継続的に」取材される機会を逃していませんか?

 

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