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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第7話 新規事業の発火点で、見失ってはいけないもの

「シモヤさん、新規事業を考えすぎて、何だかわからなくなってきました。一体、私はどうしたら良いのでしょう?」

世界的な一流ブランドと、長年に渡って取引を続けてこられた、経営者からのご相談でした。その方は、職人としての腕はまさに一流。これまでの事業は、その方の職人としての腕前に依っているものでした。今回、もう一段上の、新たな飛躍を目指して、ご相談に来られたのです。

私のところにご相談にこられる前に、マーケティングコンサルタントの指導を受けられていました。そのコンサルタントは、外資系のメーカー出身とのこと。そのコンサルタントと一緒に作られた、パワーポイントの新規事業のプレゼンテーション資料を見せていただきました。カタカナのマーケティング用語のオンパレード。資料の見栄えは、文字通り完璧。美しすぎるほどの出来栄えでした。

が、その経営者は、何かしっくりきていないとのこと。長い時間をかけて、そのコンサルタントの方と練り上げたにもかかわらず、です。どうも、実際の事業として、立ち上げる気が起きないとのことでした。

私から何点かご指摘させて頂くと、その経営者の方の表情は、パッと明るくなりました。改めて練り直して、取り組む決意を確固たるものにされたのです。

その完璧に美しい資料を作ったコンサルタントには、全く悪気はなかったと思います。資料を見れば、優秀な方だというのも、よくわかりました。が、決定的な要素が、見事に欠落していました。

それは経営者の想いを大切にするという視点です。経営者が本当にやりたいと思っていること。まだ経営者自身がうまく言葉で表現できないけど、何か、頭の中にある熱い思い。そういった想いを具体化させるという視点がなければ、新規事業の成功はありえません。最初の外資系出身のマーケティングコンサルタントの方は、あたかも、その方の出身企業内で、米国本社に向けて、新製品企画を通すかのような資料をつくってしまったのです。

マーケティング理論や経営理論はもちろん大切です。様々なことに気づく、きっかけとなります。ですが、あたかも受験勉強のように、教科書に忠実に沿って進めるだけでは、ダメなのです。理論だけが大切ということであれば、大学の先生が起こしたり、監修した事業はすべて大成功となるはずです。

経営者の想いに根ざした事業ストーリー。それこそが経営者自身が本気になり、従業員や顧客の気持ちを惹きつけるものになるのです。論理の羅列「だけ」では顧客、従業員はもちろんのこと、経営者自身も本当の意味で「動けない」のです。

あなたの事業計画は、本当にあなたの想いに根ざしたものとなっていますか?

「ワールドビジネスサテライト」「ガイアの夜明け」で500人以上の起業家を描いてきたストーリー構築法“熱狂的ファン”を生み出す実践的7ステップ