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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第4話 事業承継こそ、ストーリー構築の絶好機

「シモヤさん、創業者に比べると、わたしなんて平凡な人間ですから・・・」

先日、内部昇格で二代目を引き継いだ新社長からご相談を受けていたとき、新社長の口から出た、何気ない一言です。創業者は一代で売上100億を実現した方です。その存在感は、まさに「カリスマ」。マスコミの取材を受けた経験も多く、社内外で圧倒的な存在感を放っていた方でした。そんな「カリスマ」と比べて、自分は社内外にメッセージを発することができるのか。そんな新社長の戸惑いが出た一言だったのです。

ですが、戸惑う必要は全くありません。事業継承、特にカリスマ的な存在からの継承こそ、ストーリー構築の絶好のチャンスです。積極的に、社内外に自分のメッセージを発するべきなのです。

「カリスマ」が第一線を退くことで、社内外問わず、先行きに不安を感じています。新社長はどんな方針を出してくるのか、果たして変化はあるのか。みな口には出さなくとも、固唾を呑んで見守っているのです。そんなときに、新社長が大人しくしていたら、どうでしょうか。憶測や噂から、社内外に小さなほころびが生じるかもしれません。決して、良い影響はないのです。

加えて、社内外の注目が集まっている瞬間だからこそ、新しいストーリーが受け入れられやすくなっています。いわば、喉が渇いた人に水を差し出すようなもの。自ら積極的に、水を飲んでくれるのです。

波乱万丈だった「カリスマ」の生き様に比べれば、継承者の歩みは、確かに「平凡」かもしれません。ですが、「カリスマ」からバトンを受け継ぐ。そのこと自体が、すでに平凡ではありません。受け継いだ時点で、ダイナミックなドラマが生まれているのです。2期4年で社長の椅子を回しあうような、大企業での社長の承継とは、全く異なるのです。

あなたは事業承継という、ストーリー構築の千載一遇の好機を、みすみす逃してはいませんか?

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