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今週の専門コラム 「最強の武器はストーリー」 第70話 「いくら払えば、番組に出られますか?」

広報やPRの支援をしていると、「いくら払えば番組に出られるのか」という質問を、中小企業の経営者から受けることがあります。

2年以上前の本コラム「ニュース番組出演を巡る、最大の嘘」でも書いた通り、いくら払っても出られません。1億円払ったとしても、です。これは私の著書「小さな会社のPR戦略」でも、しっかり説明しました。

営利企業である民放テレビ局で、なぜおカネを払っても、報道番組に出られないのか。疑問に思われる方もいることでしょう。その理由は、前述のコラムで記載したので、詳しくは書きません。

前述のコラムを読んでも、まだ信じられないという方がいるかもしれないので、もうひとつ別の「事実」を書きます。

もし仮に、1000万円を払えば、出られるとしましょう。トヨタの広告費は年間4500億円です。パナソニック、ソニー、資生堂、サントリー、ソフトバンク……。こうしたテレビ広告の常連企業の広告費は軒並み数百億、数千億円の規模です。もし本当におカネで買えるのなら、こうしたテレビ広告の常連企業が、年間50週を買い占めることでしょう。

もしあなたが、番組出演を売る立場だったとします。まず最初に、誰に売りに行くでしょうか。どう考えても、こうした巨額の広告費を持っている大企業から順番に営業をかけていくに決まっています。本社は東京の一等地にあるから、移動の時間もかかりません。なにより巨額の広告費を持っているのですから、「まとめ買い」をしてくれるかもしれません。

つまり、もし万が一、番組出演を売りに出すとしても、ほとんど広告費を持っていないような中小企業に営業をかけるなど、効率の面から考えても、ありえないのです。

では、なぜ中小企業経営者に「おカネを払えば出られますよ」と持ち掛ける輩がいるのでしょうか。理由は簡単です。大企業のことは騙せないからです。

広告費を潤沢に持っているような大企業の広報やマーケティング担当者はみな、おカネを払っても出られないということを知っています。万が一、知らなかったとしても、テレビ広告の出稿を通じて付き合いのあるテレビ局の営業担当や大手広告代理店に問い合わせれば、一発でそんなことはありえないと判明します。

ところが中小企業は、テレビ局に直接確認できるようなパイプはありません。「おカネを払えば出られますよ」と持ち掛ける輩からすると、安全なのです。

2年半前と同じことを、もう一度書きます。報道番組に「おカネを払えば出られますよ」と持ち掛ける輩は、間違いなく詐欺です。わずか数百万円で出られるなら、大企業が買い占めます。

報道番組に出たいと思うなら、テレビ制作者の琴線に触れる情報を、「自ら」発信するよりほかにないのです。

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